「北京からのお客さま」と、気安くは呼べない北京市海淀区にある小学校の校長をご案内。行き先リクエストは「日本を感じる場所」。この難題とも思えるリクエストのおかげで、あらためて日本の良さを知るいい機会となる。
セントレア空港への迎えから始まった5日間。最高の天気に恵まれながらも、茹るような日本の蒸し暑さと共に過ごす日々。あらかじめ計画を立てたものの、日本を感じる場所とはいったいどのような所なのか。
日本料亭では微妙な反応を見せ、ショッピングにはまったく興味を示さず。三日目の昼に食したひつまぶしに笑顔が見えはじめ、夜のもつ鍋と日本酒で大盛り上がり。「これが日本の味」と皆が舌鼓。ようやく日本を感じる場所の意味がわかりはじめてきた。残すはあと二日のみ。
高速を2時間走り、見えてきた白川郷の風景と奥深い緑に皆が感嘆する。普段、何気なく私たちが目にする景色の中に、日本を感じているようだ。それは日本人の私たちにとって、新しいことでもメカニックなものでもなく、昔からそこにある景色。ありがとうと謝意を伝えられても、本当にこれで良かったのか自問自答する。
最終日の宿泊先は海が見える温泉旅館をチョイス。そしてこの宿で大逆転が起こる。皆がとび上がって喜ぶほど日本を感じた場所。それは「畳の和室」だった。