当然のごとく身体の接触があるとわかっていた。しかし目にしたのは、小学生とは思えないほど激しいもの。目の当たりにしたその光景に意表をつかれた記憶が今も残っている。コーチ、保護者たちは慣れているのか、その様子を遠くからじっと見守りつづけている。はじめて出会うそんな環境で、彼らの逞しさを感じさせられた。
試合の間の休憩時間にも見所がある。だれが集合の合図をかけるわけでもなく、子どもたちは円陣を組みミーティングを始める。自分の意見を捲し立てる子もいれば、周りが話す様子をじっと見つめる子もいる。様子をうかがいながら、タイミングを見て次の一手を提案する鋭い意見の持ち主もいる。その時、その場所でよそごとをする子は一人もいない。
ラグビーのサイレントリーグには、サッカーとはまた違うヒントがきっと隠れている。それが見つかればサッカーのサイレントリーグの、一歩先を行く学びの場になるかもしれない。