「子どもは地域で育てるべき」この言葉、たしかフランスでの研修で聞いたと記憶している。指導者として走りの時期、まだ若かりし頃のこと。小難しい専門用語に翻弄されながらの講義時間、この言葉がやけに頭に残った。
週末になると近所の紳士がクラブに集まり、ビール片手にポテトを頬張りサッカー談義。腹がふくれたら、外へ出て子どもたちの試合を見ながら歓声をあげる。どこからやってくるのか、大勢の人で盛り上がる軽やかな風吹く緑色のフィールド。これはオランダで見た町クラブの風景。
子どもを見守る地域社会。そしてコーチと親。この風景の中に、人とスポーツのつながりを見た気がした。これからの変革へ向け、拭えぬ事情があるにせよ、この風景の中にきっとヒントがある。そんなふうに思う。
競争よりも、協働を。
小分けから、カテゴライズへ。
スポーツ教育は、地域社会の大きな箱へ。